2012.7.10　宮崎日日新聞　副作用と闘志

通院しながらの抗がん剤治療から１週間がたちました。それまでは何も副作用がありませんでしたが、このころから一気に体に異変が起こり始めました。歯の痛み、足のむくみ、シャワーを熱く感じない、かゆみと痛みで夜中に何度も目が覚める、便秘、足裏に発疹。覚悟はしていましたが、１日中、体のどこかが痛い、かゆいの連続です。

２、３日すると症状がおさまってきて、気分もよくなり、絵本の原稿を考えました。しかし、５分ほど鉛筆を握ると、手術したほうの右側が痛くてたまりません。頭にはたくさんの言葉やアイデアが浮かんでくるのに、書きとめる力が出ず、初めて挫折感を味わいました。そのたびに「子どもに病気のことをどう伝えていいのか分からない」そう言っていた患者さんたちの顔を思い出し、闘志を燃やしました。

５分書いては手を休め、痛みを和らげるマッサージや入院中に毎朝、皆でやっていたリハビリの体操をやってみました。（宮崎市・ＡＫＯバンダナショップ　藤野ア子）