乳がんになった患者さんの前向きな生き方～ケアサロンLalanさん

宮崎県大塚町でケアサロンLalan(ララン)をオープンしてまもなく1年を迎えます。自分にできることってなんだろう?日々、模索しながらですが毎日が充実しています。

ラランを開くきっかけになったのはほかの患者さんはどうしているの?という疑問でした。病気になる以前からスタイリストとして働いてはいたのですが、いざ自分がウィッグが必要となった時に、どうしたらいいのか?どこで手に入るのか?カットは?値段は?わからないことだらけでした。

病気のことはお医者さんに聞けばいい・・・じゃぁ、生活に関わることは?どこに相談したらいいの?その前に、髪!私の髪ってどうなっちゃうの?不安だらけでした。幸い母も同じ仕事をしているので私は髪の悩みは母に相談することができました。

ある時同じ時期に入院していた「がん友」さんが、私に打ち明けてくれました。彼女はまばらに抜け残った髪がある状態の姿を旦那さんや息子たちにどうしても見せることが出来ず、それならばいっそ丸刈りにしてしまおうと、お母さまに切ってもらったそうです。ただ、自分の娘の髪を剃ることになったお母さまは、やはりショックであふれる涙を止めることができなかったそうです。髪が抜けるよりも母を泣かしているんだという事実の方が正直つらかったと、あとから聞きました。

私は髪を扱うプロなので、もっとしてあげられることがあったんじゃないかと、二人がこんなにつらい思いをすることはなかったんじゃないか・・・病気になったことはつらいけれど、それを受け止めてすこしでも前向きになれる手伝いができるんじゃないかと感じました。

ウィッグ、帽子、お気に入りのものが見つかれば日常生活も送りやすいし、お出かけも楽しめる!病気だからって、全部をあきらめる必要はない!やりたいことや、楽しいことが増えればそれは治療を乗り越える糧になる!と本気で思っています。

ウィッグは化繊のものから人毛、ミックスなど幅広くご用意して、セミオーダーで仕上げます。美容室のように実際に被ってカットを施します。長さや毛量、スタイルなどご要望に応じて作っていきます。予約制、個室対応なのでほかの人に見られる心配もありません。 脱毛時に被りやすい帽子や、ケア用品も取り揃えています。ピンクの壁がチャームポイントの家庭的でほっこりできる空間です。緊張しないで、気楽にお越しくださいね。

ララン1年目。もっとできること、やりたいことも増えてきました。ただウィッグを作る場所だけではなく、患者さんがホッとできたり、悩みを共有できたり、女子力UPできたり・・・押しつけがましくではなく、時には寄り添い、時には縁の下の力持ち的存在でありたいと思います。2年目もどうぞよろしくお願いします。