2012.10.16 宮崎日日新聞 コラム バンダナでつながれた被災地の患者さんとの出会い


昨年、3月11日の東日本大震災でまず頭をよぎったのは同じ抗がん剤治療を受けている患者さんたちのことでした。

家族にも脱毛した頭を見られるのは嫌なのに、ましてや避難している体育館など人のいる場所ではさぞかしつらいだろうなあ、何とかして私のバンダナで元気になってほしい―。そんな中、東京の乳がんの友人が、「One Worldプロジェクト」を立ち上げました。

被災地へかつらやバンダナ、ニット帽を贈るボランティアです。私もバンダナを贈りました。後日、福島の患者さんから電話があり、「バンダナとお店のパンフレットをもらい、元気がでました。毎日、パンフレットのア子さんの写真を見ています。ありがとうございます。治療、頑張ります」。

あれから一年、福島の患者さんからバンダナの注文がきた時には、「復興されてよかった!」と大喜びしました。乳がんを経験して、全国の患者さんと知り合い、生きていくたくましさを学びました。バンダナが絆になりました。

(宮崎市・AKOバンダナショップ 藤野ア子)