2012.8.7 宮崎日日新聞 味覚が変わる


バンダナショップに来店される方は患者さんが多く、抗がん剤の副作用についてもよく話をします。私は治療から1週間目に、味覚障害になりました。

ある日、酢の物を食べると、酢がきいてないのでどんどん入れました。家族が味見すると、酸っぱくて食べられないと言いました。「これが味覚障害か」。翌日からは、ほとんどの食べ物の味がしません。カレーやコーヒーのにおいはするが、味はしない。トマトやケチャップが異常に酸っぱい。

しかし、味覚が変わるのは日替わりで、翌日はいつもの味。口に入れるまでどんな味がするか分からないので、食べるのが恐怖に。「これがおいしい」「これがしょっぱい」という私を、ある時は心配そうに、ある時はにこにこしながら見ていた母に、ある朝「ヨーグルトがおいしかった」と話すと、夕方冷蔵庫の中にたくさんのヨーグルトが。「カフェキンヤ」を営む妹はキャロットライスなどを作り、味覚障害に付き合ってくれました。(宮崎市・AKOバンダナショップ 藤野ア子)