2012.7.24 宮崎日日新聞 バンダナとの出会い


鏡の前に立つと、抗がん剤の副作用で眉もまつ毛もなくなり丸坊主になった姿に「やはり、がんなんだ」。もう何をしても、楽しくない。

そんな気持ちがパッと晴れやかになる出来事が起こりました。知人からバンダナをプレゼントされたのです。きれいな色が目に飛び込んできました。いつも絵を描いて自らを発信する生活をしていた私がバンダナをもらうー。改めて色の持つすばらしさや、人にされることの体験に感動しました。今も忘れることができません。

外出時はかつらをかぶりましたが、真夏の猛暑では髪の毛がないため汗が止まらず、ダラダラと顔に流れ、化粧も取れ、人前に出るのが嫌になりました。バンダナをかぶると、汗が流れず、涼しい。しかもおしゃれ!

色でこんなにも楽しくなるなんて、きっとほかの患者さんも同じ気持ちになれるはず。私の色でバンダナを作ろう。もっと首筋が隠れて脱毛した頭がふんわり見えるようなデザインにしよう。(宮崎市・AKOバンダナショップ 藤野ア子)